Ubuntu 26.04 LTSでX11セッションが消えた - GNOME全面Wayland化とGloomiaのLinux版への影響を正直に解説
2026年4月23日、Ubuntu 26.04 LTS(コードネームResolute Raccoon)が正式にリリースされた。5年間の無償サポート(Ubuntu Pro契約なら最大延長)が付く長期サポート版で、GNOMEをバージョン46から一気に50へ引き上げた大型アップデートだ。その中でも特に影響が大きいのが、GNOMEセッションが全面的にWaylandのみになり、ログイン画面(GDM)からXorg(X11)セッションを選ぶという選択肢そのものが姿を消したことである。
これは単なる内部実装の変更では済まない。GloomiaのLinux版を含め、X11デスクトップに直接アタッチしてデスクトップの背景を描画するタイプのライブ壁紙アプリにとって、これまで用意されていた「Xorgセッションを選べば動く」という回避策そのものが使えなくなることを意味する。この記事では、Ubuntu 26.04 LTSで実際に何が変わったのか、なぜそれがライブ壁紙アプリに影響するのか、そして今この環境でGloomiaを使いたい場合にどんな現実的な選択肢があるのかを正直にまとめる。
Ubuntu 26.04 LTSで何が変わったのか
Ubuntu 26.04 LTSはGNOME 46から50へと、24.04 LTSからは4世代分に相当する大きな飛躍を遂げた。それに伴う最も実務的な変更点が、GNOMEセッションのWayland専用化だ。これまでのUbuntuでは、ログイン画面の右下にあるセッション選択メニューから「GNOME on Xorg」のようなX11ベースのセッションを選べたが、26.04のGDMにはその項目自体が存在しない。XWaylandは互換レイヤーとして引き続き同梱されており、多くのX11向けアプリはウィンドウとしては問題なく起動するが、GNOMEセッションそのものをX11として起動する手段はなくなっている。
これはUbuntuやGNOME側の判断ミスというより、Linuxデスクトップ全体がここ数年かけて進めてきたWaylandへの移行が、ついに主要ディストリビューションのLTS版にも到達したという文脈で理解するのが正確だ。裏を返せば、X11を前提に作られてきた古いツール群が、この移行のタイミングで一斉に足元をすくわれる格好になっている。
なぜX11の廃止がライブ壁紙アプリに影響するのか
GloomiaのLinux版は、X11デスクトップに直接アタッチしてデスクトップの背景部分にアニメーションを描画する仕組みで動いている。X11の世界では、デスクトップの背景はルートウィンドウという形で外部のアプリに一定の形で公開されており、これを利用して背景にコンテンツを描画するツールが昔から数多く存在してきた。ところがWaylandはコンポジタのモデル自体がX11と根本的に異なり、デスクトップの背景を同じようには公開していない。これがWayland環境でライブ壁紙的なツールが軒並み苦戦してきた理由であり、この種のツールが歴史的にX11向けから普及してきた背景でもある。
XWaylandはあくまで個々のX11アプリをウィンドウとして動かすための互換レイヤーであり、デスクトップの背景そのものに描画するタイプのツールが抱える構造的な制約までは解消しない。つまりUbuntu 26.04 LTSでXorgセッションの選択肢が消えたということは、GloomiaのLinux版がこれまで使っていた前提そのものが、標準のGNOME環境からは失われたということになる。
GloomiaのLinux版は今どういう状態か
GloomiaのLinux版は、Debian・Ubuntu系向けの.debパッケージと、ほぼどのディストリビューションでも動く単一ファイルのAppImageの2種類で配布されている。どちらも署名済みで、Windows版・macOS版と同じように壁紙カタログ全体がそのまま使え、無料で永久に使えるStarfield・Planet System・Hue Driftの3つも含めてアカウント登録は一切不要だ。Pro版のライセンスキーが最大3台の端末で使える仕組みや30日間の返金ポリシーも、OSを問わず共通で適用される。この仕組みについてはGloomia Proライセンスキーの使い方ガイドで詳しく解説している。
ただし前述のとおり、GloomiaのLinux版はX11デスクトップへのアタッチを前提に動いている。Ubuntu 26.04 LTSのようにGNOME環境からXorgセッションの選択肢そのものがなくなったディストリビューションでは、インストール自体は問題なくできても、標準のGNOMEセッションでは想定どおりに動作しない可能性が高い。これはGloomiaに限った話ではなく、Wallpaper EngineがLinuxを公式サポートしていないことも含め、X11を前提にしてきたライブ壁紙系ツール全般が直面している同じ移行期の問題だ。GloomiaとWallpaper Engineの違いについてはGloomiaとWallpaper Engineを正直に比較した記事でも触れている。
今すぐUbuntu 26.04 LTSでGloomiaを使いたい場合の現実的な選択肢
現時点で取れる現実的な選択肢は、大きく3つに整理できる。1つ目は、Xorgセッションを引き続き提供しているディストリビューションやデスクトップ環境に留まること。KubuntuのようなKDE Plasmaベースの環境は、2026年8月時点ではまだXorgセッションを選べる。ただしKDE Plasma側もWayland専用化に向かっており、専用のX11セッションを持つ最後のバージョンは2026年6月頃リリースのPlasma 6.7で、2026年10月頃に予定されるPlasma 6.8ではX11セッションの廃止が公表されている。恒久的な逃げ場ではなく、猶予期間だと考えておくのが正確だ。
2つ目は、Ubuntu 26.04への移行を急がず、Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)のようにまだXorgセッションを選べるサポート中のLTS版に留まる方法だ。24.04 LTSは2029年4月までサポートが続くため、当面はX11ベースの環境としてGloomiaを問題なく使い続けられる。3つ目は、Windows版やmacOS版のGloomiaに乗り換える方法で、壁紙カタログ・料金体系・ライセンスの仕組みはすべて共通なので、Pro版をすでに購入済みの場合は同じライセンスキーを別のOSの端末でそのまま使える。無料版とPro版で実際に何が変わるかは無料版とPro版を正直に比較したガイドにまとめてある。
.debやAppImageのインストール手順自体は変わっていない
誤解しやすい点として、今回の問題はGloomiaのインストール手順そのものが壊れたということではない。.debパッケージはUbuntu・Debian系であればsudo apt install ./gloomia.debのようなコマンドか、ソフトウェアセンター経由でこれまでどおりインストールできる。AppImageの方はダウンロードしたファイルにchmod +xで実行権限を与えれば起動できる、ポータブルな単一ファイルという性質も変わっていない。Ubuntu 24.04以降ではAppImageの実行に必要なFUSE 2ライブラリの名前がlibfuse2からlibfuse2t64に変わっているため、AppImageが起動しない場合はsudo apt install libfuse2t64で追加インストールする必要がある点も26.04で引き続き当てはまる。つまり「インストールできるかどうか」と「インストール後にX11セッションで背景に描画できるかどうか」は別の問題であり、今回影響を受けているのは後者だという整理が正確だ。macOS版のインストールや初回起動時の確認表示については、MacでGloomiaを使う完全ガイドで別途詳しく解説している。
この状況はGloomiaだけの問題ではない
重ねて強調しておきたいのは、これはGloomiaというアプリ単体の不具合ではなく、Linuxデスクトップ全体がX11からWaylandへ移行していく過程で、X11を前提にしてきたツール群が一斉に直面している構造的な問題だという点だ。GNOMEが26.04 LTSでXorgセッションを廃止し、KDE PlasmaもPlasma 6.8でX11セッションの廃止を予定している以上、この流れは今後さらに広がっていくと見るのが自然だ。GloomiaのWindows版・macOS版はこの影響を受けず、無料の3つの壁紙もPro版の20種類以上の壁紙も変わらず使える。OS間でどこが同じでどこが違うのかは、macOS版を軸にした比較記事でも整理しているので、複数の環境を併用している場合はあわせて確認しておくといい。
まとめ
Ubuntu 26.04 LTSは、GNOMEを46から50へ引き上げると同時に、GNOMEセッションを全面的にWaylandのみにし、ログイン画面からXorgセッションを選ぶ選択肢を廃止した。GloomiaのLinux版はX11デスクトップへのアタッチを前提にしているため、標準のGNOME環境では以前のような「Xorgセッションを選べば動く」という回避策が使えなくなっている。当面はKDE Plasmaベースの環境や、まだXorgセッションを選べるUbuntu 24.04 LTSのようなサポート中の旧バージョンに留まるか、Windows版・macOS版のGloomiaに切り替えるのが現実的な選択肢だ。.debやAppImageのインストール手順自体は変わっていないので、混同せずに整理しておきたい。
よくある質問
Ubuntu 26.04 LTSで具体的に何が変わりましたか?
2026年4月23日にリリースされたUbuntu 26.04 LTS(Resolute Raccoon)は、GNOMEをバージョン46から50へ一気に引き上げ、GNOMEセッションが全面的にWaylandのみになりました。ログイン画面(GDM)からXorg(X11)セッションの選択肢そのものが姿を消し、以前のようにログイン時にX11セッションへ切り替えるという手段が使えなくなっています。
X11セッションがなくなると、なぜGloomiaのようなライブ壁紙アプリに影響するのですか?
GloomiaのLinux版はX11デスクトップに直接アタッチして、デスクトップの背景部分にアニメーションを描画する仕組みです。Waylandはコンポジタのモデルがそもそも異なり、X11のように背景(ルートウィンドウ)を同じ形で外部のアプリに公開していません。XWaylandは個々のアプリを動かす互換レイヤーとして残りますが、デスクトップの背景に直接描画するタイプのツールが抱える根本的な制約までは解消しません。
Ubuntu 26.04 LTSのGNOME環境でGloomiaを動かす方法はまったくありませんか?
GDMのログイン画面からXorgセッションを選ぶという従来の回避策は、Ubuntu 26.04のGNOME環境では使えなくなりました。現実的な選択肢は、Xorgセッションを引き続き提供している別のディストリビューションやデスクトップ環境に切り替えるか、X11セッションがまだ選べるUbuntu 24.04 LTSのようなサポート中の旧バージョンを使い続けるか、あるいはWindows版やmacOS版のGloomiaを使うことです。
Ubuntu 24.04 LTSならまだX11セッションを選べますか?
はい。Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)はGNOME 46を採用しており、ログイン画面から従来どおりXorgセッションを選択できます。サポート期間は2029年4月までで、Ubuntu 26.04への移行を急がない場合、当面はX11ベースの環境として使い続けられます。
KDE PlasmaのようなGNOME以外のデスクトップ環境なら大丈夫ですか?
KubuntuなどのKDE Plasmaベースの環境は、現時点(2026年8月)ではまだXorgセッションを提供しています。ただしKDE PlasmaもWayland専用化に向かっており、専用のX11セッションを備える最後のバージョンは2026年6月頃のPlasma 6.7で、2026年10月頃に予定されるPlasma 6.8でX11セッションが廃止される見通しが公表されています。GNOMEより猶予はあるものの、恒久的な回避策ではない点は理解しておく必要があります。
Gloomiaの.debパッケージやAppImageのインストール手順自体は変わりましたか?
インストール手順そのものは変わっていません。.debパッケージはsudo apt install ./gloomia.debのようなコマンドか、ソフトウェアセンター経由でインストールでき、AppImageはchmod +xで実行権限を与えて起動するだけです。Ubuntu 24.04以降ではAppImageの実行に必要なFUSE 2ライブラリがlibfuse2からlibfuse2t64という名前に変更されているため、AppImageが起動しない場合はsudo apt install libfuse2t64で追加インストールする必要がある点は26.04でも変わりません。今回の問題はインストールの可否ではなく、インストールした後にX11セッションで起動できるかという点です。